こんにちは。つくもです。
最近になって着物を着始めたのですが、多くの人が着物に興味を持つのはどんな時なんだろう?と思ったので調べてみることにしました。
この記事ではGoogle trendsを使って「着物」の検索数を見ることで、着物に対する関心度合いをまとめています。
長期トレンド(2004年~2020年)
まずは2004年からの長期的な変化を調べてみました。
「着物」の検索数は2011年からが徐々に伸びていることがわかります。洋服のファッショントレンドからの影響もありそうだなと考えていますが、それはまた別の記事で。
最大は2018年か…これは例のあの事件の影響ですかね)
Google trendsでは最も検索数が多いとき=100となっていて、これに対しての割合が表示されています。100 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いことを示し、50 の場合は人気度が半分であることを示します。0 の場合はそのキーワードに対する十分なデータがなかったことを示します。
*変化の見られる2011年と2016年にそれぞれgoogleの地域区分の変更とデータ収集システムへの変更があります。これが影響している可能性もあるかも?詳しい人がいましたらコメントをください。
年間のシーズン(5年程度のサイクル)
ここ5年のデータを見ると、検索数が増える特徴的な3つのシーズンが見られます。
- ①8月末~11月末頃 ゆっくり増加し、11月2週目あたりにピーク
- ②1月2週目あたり 短期間の増加。年間では最大の検索数
- ③2月末~3月2週目 ②よりはゆっくり増加
これらのシーズンはそれぞれ「七五三」「成人式」「卒業式」に関連した物だと思われます。以下でいくつかの検索ワードと比較してみます。
関連ワードとの比較
「着物」と「七五三」
①は夏後半からじわじわ上がり始め、11月初週にピークを迎えています。11月の初週にあるのは「七五三」ですね。「七五三」の検索推移の形と一致しています。
①は3つあるシーズンの内、もっとも緩やかで長期のシーズンとなっています。お子さんのハレの日ですから、早くから準備するために比較的長くなっているということでしょう。
「着物」と「振袖」
②のシーズンは1月の2~3週目に一気に検索数が増えています。これは「振袖」や「成人式」の時期とおおよそ一致しました。
このシーズンでも子どものハレの日ですから、①七五三と同様に準備の期間がありそうな感じがします。しかし実際には検索数の変化は急激で、短期間となっていることがわかりました。
これはその年に成人式を迎える俳優さんやアイドルの方の晴れ着姿に需要があることを表していそうです。「振袖」では関連ワードに芸能人の名前が挙がるので、芸能人の晴れ着姿に期待が集まっていることが伺えます。
ただし「着物」のほうが1週間ほど(12月27日~)早く検索されいています。こちらは「お正月」「初詣」と一致しました。こちらは関連ワードに芸能人の名前はそこまで見られないので、着物を持っている人が初詣に着ていくための検索なのかもしれません。
「着物」と「卒業式」
2月末~3月2週目に見られる③のシーズンは「卒業式」や「袴」の検索時期と一致します。
また「袴」の関連ワードには「小学生」や「レンタル」が見られました。
こちらのページを参考にすると、全国の小学校の卒業式は3月の3~4週目になります。また大学の卒業式も大体同じ時期で3月3週のようです。検索数の増加が比較的緩やかなので、準備をするために少し前から「袴」と一緒に「着物」も検索されるということなのでしょう。
また中学校・高校は小学校・大学よりも卒業式の時期が1~2週間ほど早いみたいです。この時期には「袴」の検索が増えていませんが、「着物」は増えているようです。中学・高校の卒業式では袴はあまりつけないのですかね?であれば、式に出席する保護者の方たちが着るために「着物」で検索をするのかもしれません。
ちなみに「袴」は②のシーズンとも一致するので、成人式に男の子が検索していると考えられます。
「着物」と「浴衣」
「着物」の結果では卒業式のシーズンから夏の終わりまで、検索数が増えていないことがわかります。しかし盛夏には最大の需要を迎える「浴衣」がありますよね?そこで「着物」と「浴衣」を比較してみました。
比較してみると、「浴衣」が大きな需要を迎えるころには「着物」はあまり検索されていないことがわかります。世間では「浴衣」と「着物」は違うワードとしてとらえられていることが表れていますね。少なくとも、「浴衣」について調べるのに「着物」はキーワードになっていないといえます。
「浴衣」の検索数は7月末から8月1週目にピークを迎えますが、その始まりは5月1週目、ゴールデンウィークあたりから大きく伸びていることがわかります。気候的に暖かくなってくると夏に関心が向き始めるということでしょうか。これは「花火」や「祭り」の時期と一致します。
浴衣を着るためにイベントに行くのか、イベントに行くなら浴衣を着たいのか、というのは個人に依るところでしょうが、「浴衣」はイベントとセットということでしょう。そのことを表すように、イベントが開催できなかった2020年には「浴衣」の検索数も大きく下がっています。
さらに「浴衣」の結果に注目してみると、ここ5年では人気度が減少傾向であることがわかります。そこで、「浴衣」の長期トレンドも見てみることにします。
「浴衣」の長期トレンド
「浴衣」の長期トレンドを見ると、2012年から人気度がどんどん大きくなり、2016年にピークを迎えていたことがわかりました。
この2012年からの浴衣人気の上昇は何に要因があるのでしょうか?調べてみましたが今のところ手掛かりなしです…。もしわかる方がいましたらコメントを頂けると嬉しいです。
まとめ
今回の調査では
- 長期的には「着物」への関心が高くなっていると考えられる
- 1年の中では「七五三」「成人式」「卒業式」のシーズンに需要がある
- 「浴衣」は「着物」とは別に検索されており、「花火」や「祭り」の時期に検索される
ということがわかりました。
全体を通して考えてみると、やはり着物はイベントがあるときに着る特別な服という印象があるようですね。
ただ、少しずつ着物への関心も大きくなっているようですから、ケ(日常)の衣服として町中に着姿が増える日も来るかもしれません。
洋服が広がった歴史をみれば着物がもう一度広がる可能性も高いと考えていますが、それはまた今度まとめてみることにします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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